小説にはうるさいぜ
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2004年7月16日の気持ち
最近面白かった本
異形の世界が
出来ている
 小説が好きです。あまりジャンルにこだわらずに楽しんできました。最近はミステリー小説の比率が多くなっています。日本のミステリーがつまらないので海外物が多かったのですが、それも新しいものにハズレが目に付くようになってからは日本のミステリーをあらためて読み始めました。でもやっぱり面白くない。
 最近読んだ中では桐野夏生の「グロテスク」と藤原伊織の「テロリストのパラソル」はつまらなかった。腹が立つほどつまらなかった。「テロリストのパラソル」は江戸川乱歩賞を取っているのにつまらない。藤原伊織は「ダックスフントのワープ」は面白かったのに…。矢作俊彦の「ららら科学の子」はまあまあだったけど、もう一つ盛り上がりが欲しかった。賞を取っているから面白いとは限らないのは日本では珍しくない。宮部みゆきはあんなに賞をとっているのにどれ一つとして面白くない。「蒲生邸事件」は日本SF大賞を取っている。なんであんなものがSFなんだよ。SFはもともと間口の広いジャンルだけれどひどすぎる。
 高村薫の「マークスの山」も期待したほどではなかった。筋もいまいちだったけれど人物描写が冷たすぎて読み物としての魅力に乏しい。直木賞受賞作品も最近はつまらない。あんまり嘘っぽくて没頭出来ない、しらけてしまう。エンターテインメントなんだからその作品の世界にのめり込みたいのに出来ない。原寮(本当の名はパソコンで表示できない)の「私が殺した少女」は最初から終盤近くまで面白かった。日本人でも日本を舞台にして、こんな面白いものが書けるのだと驚いた。ただ非常に残念なことに結末は良くなかった。他の作品もこれを越えたとはいえない。
 海外物で面白かったのはジョゼ・サラマーゴの「白の闇」とR・D・ウイングフィールドの「クリスマスのフロスト」だ。R・D・ウイングフィールドは他のフロストシリーズも面白かった。個人の好みもあるけれど、これこそ面白いというものがあれば教えてください。読むものに飢えています。