皇海・男体山旅。
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     2013年8月7日の気持ち

前回の二王子岳胎内コースのヤブこぎに疲れ、しかも頂上にも着けなかったので、フツーの山のフツーの道を頂上まで歩きたくなった。北股岳登山中止で、何となく空想していた県外の山旅が実現。


      8月7日13時22分
     鋸山から見る皇海山

皇海山は樹木で景色が見えないし、時間も予定より早かったので、予定外の鋸山に登った。尖がった頂上で殆ど360度の眺望だが、男体山は雲のため見えなかった。栃木県側から来た1名とここで再会。
  8月7日(皇海山)の気持ち

 自分は百名山ハンターではないのですが、百名山や二百名山を一つの指針として登りやすそうな所は登ろうと思っていました。暇な時にパソコンで地図を開いて、ここは行けそうどうかと空想していました。
 一旦、県外に出れば2つくらいは登ってみたいもので、西吾妻山(山形県)と磐梯山(福島県)、茶臼岳(栃木県)と熊野岳(宮城県)、早池峰山(岩手県)と栗駒山(二百名山・宮城県)などと計画したうちの一つが、皇海山(群馬県)と男体山(栃木県)だったのです。
 もう、10年ほど前になりますが、この時は大型二輪免許を取ってイナズマ1200を手に入れたばかりで、バイクツーリング+登山に熱を上げていたのです(今はあのパッションが懐かしい)。
 西吾妻山・磐梯山は2004年8月に、茶臼山・熊野岳は2005年8月に、それぞれ民宿に泊まってイナズマでツーリング登山をして来ました。早池峰山・栗駒山は地震があって延期しているうちに、バイクの熱が冷めて今現在も実行していません。
 イナズマから乗りやすいフォルツァに代えてからは、行こうと思っているのですが実行に移せませんでした。少し遠いですが3日あれば行って帰る事が出来るのですがね。
 北股岳中止で予定していた3日間が空いたのですが、急には決断出来ません。天候的にも東北は無理だったようです。それで、浮上したのが皇海山と男体山だったのです。
 皇海山の登山口までの林道はフォルツァでは無理なのでコルトプラスで行く事になり、車で行くなら車中泊という事になりました。その後の天気予報も何とか崩れずに済みました。
 関越道を沼田ICで下りて、R120を日光方面に向かい最初のセブンイレブンで昼食を買おうとしたのですが、オニギリがほぼ全滅で、自分の嫌いなキムチ味しか残っていません。まだ先にもコンビニはあるのですが、「今日は登山客が多いので先のコンビニでも残っているかどうか分かりませんよ」と言う店員のソフトな脅迫に負けて、三色丼とパンを買いました。
 吹割の滝からR120を右折するのですが、入り道が分かりません。行き過ぎてしまって、道端のソバ屋さんに聞いたら、「林道の道が非常に悪いので帰ってこれなくなる。悪い事は言わないから止めた方がいい」と言われましたが、ここまで来て計画を変更する訳にも行きませんし、先月のネット情報でも普通の車で入っている人達がいる事は知っているので、ソバ屋さんには行ける所まで行ってみると言って別れました。
 栗原川林道というのですが、狭くて殆どがダートですが凸凹は予想していたほど酷くはありませんでした。注意して通行すれば普通の車でも腹は擦りません。
 問題は落石が尖っているという事です。乗り上げたらタイヤが切れそうです。登山口には実際にパンクしてスペアタイヤに交換した車がありました(豊橋ナンバーのマーチさん、あなたですよ)。
 途中には工事現場があり、大型車が道路を塞いでいましたが、動いてもらって通行出来ました。帰りにはニホンジカにも遭遇しましたが、ぶつかればシカも痛いでしょうが車も壊れます。
 20km近い距離を揺られながら集中して走るので疲れます。スピードもせいぜい20km/hくらいしか出せません。登山に使う体力の1/3は使ったような気がします。
 登山口には皇海橋の両側に駐車スペースがあり、両方で30台位は停められそうです。トイレがあるのも助かりますし、沢の水?も出るようになっていました。登山カードを書いて出発です。
 登山コースは不動沢の沢沿いに上り、最後は沢をつめて行くと尾根(鞍部)の鋸山分岐に出ます。残りはあと半分です。何処が道というのでも無いような場所をコースアウトしないように上り、最後の急登の先に緩やかな頂上部分に出て、青銅の剣の先に皇海山の頂上がありました。
 予想以上に早く着いたし、情報通り眺望の無い頂上なので、六林班峠を周って鋸山を通って来た若者に、鋸山までの時間を聞いたら上り40分位ではないかというので、昼食のあと鋸山にチャレンジしました。
 分岐から見る鋸山は尖って手強そうです。分岐から2度ほど緩いアップダウンをしてから岩の登りになります。ロープはあるのですが、細くて擦り切れています。浮石もあり、周りの木の根や枝も安心して身体を預けられるものではありません。
 それでも上りは何とかして頂上に着いて眺望を楽しみましたが、問題は下りです。どう上って来たのだろうと悩みながら上りより怖い思いで下りました。荒沢岳並みの鎖があれば安心ですが、コースが全部岩では無く土が削れている部分も登るのでアンカーを打つ場所が無いのでしょうか。体格と体力の無い人には勧められないコースです。
 それでも、眺望の無い皇海山だけでは面白くないし、これから行く予定の方は鋸山も視野に入れて計画を立てると良いでしょうね。
 皇海山を下りてから入るつもりだった、吹割温泉センター竜宮の湯の場所を、役場近くの洋品店で聞いたら廃業したと言います。ガッカリです。他にも日帰り湯はあるのですが、500円という低料金が魅力でした。その洋品店でR120沿いで片品村に入る手前にある、水芭蕉わたすげの湯を教えてもらいました。そこに行ってみると入湯料が550円と安く、夕食も食べて大満足でした。


           8月8日(男体山)の気持ち

 昨日の夜7時過ぎに迷う事無く二荒山神社中宮の登山者専用駐車場に着きました。あとは寝るだけです。他にも3台駐車しています。外気がまだ暑いせいか、それとも夕食のトンカツ定食(1100円)の肉が厚かったせいか、身体が火照って眠れません。
 深夜に車が入って来るようになり、駐車場に外灯が点灯されました。何かアナウンスもしていますし、太鼓もなっています。じぇ、じぇ、じぇ。これはひょっとして、そうです、まだ登拝祭は終わっていなかったのです。
 登拝祭が7月31日から8月7日までやっている事は分かっていました。だから、最初は8月7日に男体山に登る予定を変更したのです。8月7日の夕方には祭は終わっているだろうと思ったのです。それが間違いでした。8月7日の夜にも御来光を拝む夜間登山が行われるのです。
 車中泊をしようと思うと何かと問題が起こります。高速道路の下で寝ていたら意外に明るくうるさかったり、駅で寝ていたら夜間の保線工事が始まったり、道の駅で寝ていたら国道とJRに挟まれている場所で両方の騒音があったりで、夜中に場所を探してウロウロします。これも、朝のトイレを確保したい思いがあるから場所が限定されてしまうのです。
 今回も、二荒山神社を出て、結局、歌が浜駐車場に移動しました。ここは割合静かでトイレもあり眠れました。しかし、早起きの人はいるもので自分は遅くても良かったのですが、5時頃には起きてしまい心ならずも早い朝食(片品村のコンビニで買ったとりめし)をとりました。
 二荒山神社に戻ったのが6時頃で、もう出発する人がぞくぞく入って行きます。こうなると自分も負けてはいられないという気持ちになってしまいます。社務所で500円を払い、登山カード代わりに名前と住所を記帳して、お札を貰い、登山の説明を受けて出発しました。
 一合目までは参道の延長のような石の階段と木の土留めの階段を上りますが、その先は、木の根の飛び出た森の中の山道になります。自分は往きも還りも二合目の標石は見ませんでしたが何処にあったのでしょう。
 三合目で工事用道路に出て車道を歩きます。舗装ですがひび割れや破損があり凸凹しています。帰りにカーブを数えてみたら小さいものも入れて8回ありました。四合目からまた山道になるのですが、途中で20人位のグループを追い抜けたのは良かったです。山道で追い抜くのは面倒ですからね。
 四合目の道路脇には社務所と仮設トイレがありました。四合目からパイプの手すりが出てくるようになりましたが、グラグラのものや分解しそうなものもあるので簡単に身体を預けられません。
 五合目の小屋には休憩の親子が何組かいたようですが、自分は中に入らず、昨日から続けて使っていたデジカメの電池が消耗して来たので交換しました。この辺から、時々振り返ると中禅寺湖が木の間から見えるようになりました。中禅寺湖の南側の山も高いせいか、昨日の皇海山や鋸山は確認出来ませんでした。
 六合目の手前でも岩がゴロゴロした上りですが、森の中から出て明るいシーンです。上から下りてくる人が時々いて、夜間登山をして御来光を拝んだ人達です。白装束の若者も3人下りて行きました。
 七合目の小屋はベンチが無いので休めません。この辺りの岩がゴロゴロした状態を観音薙というらしいのですが、自分はもっと荒れて草木の無い山肌を想像していたのですが、森の中で直射日光が遮られて助かりました。
 八合目には瀧尾神社の小さな社があり、ここにある胎内くぐりをしなさいと熟年男が若い娘に言っていました。写真を撮ってあげるよと、鼻の下を伸ばしていました。
 少し上ると岩と別れ砂礫の緩い道が始まります。最初に狭い所を通ると中央に水路を作って両側を緑の土嚢で覆った道になります。そのうち土嚢の色が黒になり、木の土留めをした幅広い階段状の道になります。九合目はこの少し上にあったのですが往きでは気が付きませんでした。
 そのうち樹木が無くなり、砂礫がザラザラ崩れて歩き難いような道になります。階段らしき残骸がありますが、道という決まった場所が無く、人は好きな場所を上っています。振り返ると中禅寺湖が全面見えます。南方の山も見えますが、それは頂上で見ようと先を急ぎます。
 頂上の一角の奥宮に着いて振り返ると、ガスが出ています。じぇ、じぇ、じぇ。まだ9時過ぎなのにガスが出てくるのが早過ぎます。もう、眺望は無くなりました。
 男体山という表示の無い場所の石の帽子をかぶった三角点にタッチしました。ここにも剣がありますが、白く輝いてまだ新しいステンレス製のようです。(去年の6月に折れて新調したものらしい)
 人がドンドン上って来るので、自分は志津方面に移動して廃墟の土台で早い昼食をとりました。後で、奥宮で聞くと気象観測の施設だったとの事。結局、この後はガスは晴れる事無く、スゴスゴと下山したのでした。
 二荒山神社の駐車場で身体を拭いて着替えして、中善寺湖畔の土産物店で土産を買って帰宅の途につきました。お陰さまで、早く登ったので早く帰れました。