印象に残る山。
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     2008年12月13日の気持ち
       2008年7月31日
 黒岩山頂上から朝日岳を望む。
 下に広がるのは黒岩平。7月末と
 いうのに雪が残る。ここからは良く
 見えないが、季節を問わない花が
 豊富に咲いている。
     
 平成20年で一番印象に残った山は黒岩山でした。黒岩山といっても分からないでしょうね。糸魚川市小滝の奥に登山口はあります。2万5千分の1の地図には名前が載っていませんし、登山口の大分手前にはゲートがあって、林道を1時間以上歩かなくてはならない面倒な山なので、あまり知られた山ではありません。自分も「分県登山ガイド16新潟県の山」を見るまでは知りませんでした。
 それでも、日本を縦断するアルプスの北の縦走路途中にある山なので、白馬岳から親不知に降りる人達は知っている山だと思います。日帰りの山というよりも、縦走途中に通過する山といった方があっているかもしれません。自分にとっては日帰りの山なのですが…。 
 自分が登った時も南の雪倉岳方面に縦走するという若者がいました(が、林道補修のアルバイトをしていました)。ガイドブックでは北の犬ガ岳の小屋に泊まって白鳥山から親不知に抜けるルートを紹介してありました。自分は日帰り専門なので黒岩山往復が自分の本分だと思って今年初めて登ったのです。
 登山口までは自転車を使い、登山道はただ登るだけでなく、小沢を遡上したり、草原を歩いたりと変化もありました。頂上では風が寒く一時小雨になり、天候はそれほど良くはなかったのですが、昼食後に黒岩平に降りてみたら頂上からは分からないほどの花畑でした。雪が残っているところもあり、雪が消えたばかりのところでは小さな可愛いミズバショウが沢山咲いていました。そうかと思うと別の場所ではチングルマの花が終わり種の状態になっていて、その名の由来通りの放射状の車輪のような毛を広げて風に揺れていました。春と夏が一緒に来たようで季節がごちゃ混ぜになっていました。その日は7月31日でした。同じ程度の標高の守門岳では考えられない事でした。ヘリから下ろされた木道修復用の資材が点々としていたのは、ちょっと興がそがれましたが、中々良いところでした。
 印象に残ったのは山以外の部分でも理由があるのです。前日夕方に仕事を終えて家に帰らずに、すでに自転車を積込んであるキューブで長岡から糸魚川に向かいました。
 夕食は途中の柏崎のカツ専門店で食べたのですが、出て来たカツ定食の衣がボロボロで、空腹のスパイスでやっと食べました。R8を坦々と走り、糸魚川でR148に左折しコンビニで寝る前の缶チューハイと明日の朝と昼の食事を購入しました。カーナビを頼りにR148から右折し、暗くて狭い道を小滝のフィッシングセンターにたどり着きました。広いけれど他に誰もいない駐車場で、車中泊をする為に自転車を車から降ろし、寝床を作成(シートの凸凹を毛布やタオルで埋める)して、寝酒を飲んで、暑いので窓を開けて寝ていたら虫が入って来たので窓を閉めてたりして、いつ寝たのか分からないうちに寒くなって朝になっていました。
 朝食をとり、立派なトイレで立派なものを出し、自転車を積みなおしてエンジンをかけてから周りの景色をデジカメに収めていたらアブが襲ってきました。早々に車に戻り、登山口に向かう途中もアブは付いて来ました。発電所のゲート前で登山の準備や自転車の組立をしている時もアブは襲ってきていて、自転車でこぎ出しても付いて来て、それでも人見知りするアブのようで自分の周りを雲のように取り囲んでいてもそれほど刺されなかったのは僥倖です。
 山を登った帰り道の林道ではアブは居なかったのですが、サルが集団でいて、キーキーと威嚇され怖かったし、沢水が出ている所に鉄板が敷いてあってそこで自転車が滑り、足を着いたら足も滑って、左の崖下が怖かったでした。
 そんな、個人的な事が黒岩山の印象をさらに強くした次第です。
 2位は平ヶ岳です。まだ身体がブヨブヨしていたころだったら、とても日帰りで登ろうとは思わなかったルートを無事に行って戻ることが出来て良かったです。
 3位は鷲ヶ巣山です。ここは何年も前に、バイクで前夜来てテント泊まりをして次の朝登ったのですが、登山口が分からず探しているうちに時間が過ぎ、結局見つけて登ったのですが、中ノ岳まででリタイヤした山だったので、これも完歩出来て良かったです。
 ここにもヤマヒルがいるということだったのですが、危険箇所は早く歩いたために噛まれずに済みました。そのかわり、ダニに噛まれていて知らずに家まで持ってきていました。多分、昼食を食べた林の中でやられたらしいのです。ダニは村松の毛石山で噛まれて以来2度目です。この時も知らずに家まで持ち帰り風呂上りに違和感を感じみたら、太ももに噛り付いていたのです。
 黒岩山でも登山口にはアブの軍団がいましたし、平ヶ岳でもマムシがこれまで登った山の中では最高の数を見ました。新潟県はまだ自然が豊富ですね。この三つの山は県内にしては遠い所にあるので全て前日車中泊だった事も印象を強くした要因かと思います。