大崩平往復。
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     2009年10月15日の気持ち

       2009年10月15日
     大崩平から網張を望む。
沢とガレ場を伝い下りて来たこのルートは吉ヶ平ルートの最後の仕上げとなる。
この何処かにカモシカが写っているがそれは何処でしょう?自分も視線を感じて?10倍双眼鏡でやっと分かったくらいです。
 去年のリベンジの為に今年の7月に再挑戦した守門岳の吉ヶ平ルートが又も失敗に終ったので、逆に網張から下りてみてルートを確認しようと思い、ついでに二口(猿倉橋)ルートの自分の最短記録も目指して一石二鳥の計画を立てました。
 季節は10月で気候気温は申し分なしで晴天の今日、決行したのです。2002年の記録の2時間9分の時と比べると、登山口から滝見台へは6分早く到着し、滝見台から大岳分岐までの長い上りで6分短縮し、大岳分岐から青雲岳までで1分縮め、青雲岳から袴岳では2分短縮し、合計15分短縮し1時間54分で登り、1990年の2時間2分の記録も破ったのでした。最後の上りでも筋肉痛にもならずに登れたのは普段の節制?と5年続けている水泳のお陰かもしれません。
 しかしその水泳も最近は鼻炎が高じて風邪気味で、今朝は寒かったので身体を労わってバイクをやめて車で来ました。登山中は身体を労わらずこき使ったお陰で口内炎が出来ていたのがキレイな空気と激しい呼吸で?殆ど治ってしまいました。
 肝心の網張から大崩平へのルートは、草原からすぐ沢源頭になり細く急な涸れ沢筋を下りる、やっぱり吉ヶ平ルートらしい道なき道でした。今年2回目の大崩平は、3ヶ月前の残雪と霧のベールに包まれた閉塞的な情況と大違いで、木々が紅葉しパノラマのように視界一杯に広がった守門の連山を間近で見せてくれました。もう感激感涙です。まさに守門に包まれ爆裂火口にいる思いがしました。守門の尾根を歩く人達には分からない光景です。低い所にいるのに一人で優越感に浸りました。
 大崩平では感動を写真に撮ろうと何回もシャッターを押したのですが、コンパクトデジカメと自分の腕では、この感激を写真に表せません。やっぱりここに下りて自分の目で見るのが一番です。早い人なら網張から1時間で往復出来るでしょうが、ある程度体力があり、体格が良い人で、薮こぎになれていないと無理かもしれません。山が崩れている所を通るので浮いた大岩や崩れる土などが急斜面にあり危険も覚悟しなくてはなりません。
 記憶にシッカリ残そうと周りを見ていたのですが、200mくらい遠くの大岳下の斜面にじっと動かないのに岩でもない木でもないような色のものがあるのを不思議に思い、双眼鏡(10倍)で見たらカモシカでした。帰ってから見た風景写真にも小さく写りこんでいました。何枚も撮った中の数枚に写りこんでいてその時間差は10分以上ありました。自分が大崩平に下りた時から縄張りを荒らす奴として監視していたようです。双眼鏡で見たらこちらが気付いた事に気付いたようで、去りかけたその後姿は尻が黒くて大きく張っていてクマのようだったので、もう一度確認するため呼びかけたら、こちらを振り返った顔はやっぱりカモシカでした。安心しました。
 大崩平に下りた事で、自分の中では吉ヶ平ルートが記憶に一本として繋がりました。下見だけのつもりだったのですが、分割とはいえ一応このルートを踏破した訳ですし、もう一度リベンジするという気持ちが薄れてしまいました。弱気になってしまいましたが、それだけキツイルートで自分で嫌がってしまっているのです。やるなら同伴者を誘い、他の誰かのように保久礼などに車をデポして一方通行で通り抜けるという考えも浮かびました。これは現在の気持ちで、来年になれば元気が湧いて一人でチャレンジするかもしれません。それにしても水っぽい季節に2度リタイヤしているので、8月以降の快晴の日(或いは今日のような秋晴れの日)にチャレンジした方が良いかもしれません。