砂防ダム工事は天敵。
102
     2010年10月7日の気持ち

 清水峠は1992年以来で久しぶり、現在は新しい砂防ダム工事が各所で行われていて全く様変わりしている。前は凸凹道を車で追分まで入れたが、今は追分そのものが不明だし、清水集落から斜面の畑を通り過ぎた上でゲートがあって入れないし駐車場も無い。


       2010年10月7日
   上州朝日岳頂上付近の風景
 右上が、朝日岳頂上。ジャンクションピークから頂上までの間に池塘があるが、道から離れているので近づく事が出来ない。
 土合から登って来た男女二人が清水峠に下りていった。今日の宿は蓬峠か。
 清水峠に登るのは18年ぶりです。しかも今回はその上の上州朝日岳まで行きます。自分も成長したものです。18年前は、井坪坂コースで上り、十五里尾根コースで下ったので、実は十五里尾根を上りで使うのは今回が初めてだったのです(と、伏線を張っておきます)。
 ネットの情報では砂防ダム工事の為にゲートが出来た事や、登川の橋が流されたり、尾根取りつきが崩れた事を知りました。だから相当な変化を覚悟していました。
 行ってみると、清水集落から1分程の、坂を上がった所でもうゲートがあり通行止でした。しかも、駐車場はありません。工事関係者が作って置いてある資料によると登山や釣りの人はゲート前の路肩に停めるようにとの事でした。他に駐車車両が無かったのでゲート前が分岐になっていて左に余裕がある唯一の場所に停めました。それ以上駐車するには左のヤブに車の左側を突っ込まなければ右に通行スペースは出来ません。いっその事、清水集落に車を停めても時間的にはあまり変わらないと思います。車を傷つけたくなければその方が良いでしょう。 
 これは長い林道歩きになると思いながら仕度をしている時に、出勤して来た工事関係者に「乗せて行こうか?」と言われて、ちょっとグラッときたのですが、ヤセ我慢をして丁重にお断りしました。現在出来る普通の登り方で登りたいのです。これが自分のポリシーです、なんちゃって。
 林道をセカセカ歩いて、登山道分岐から川原方面に下り十五里尾根分岐から右の川原に入りました。初めの渡河は2m程のもので小岩を並べて積んで歩きやすくなっています。砂利とヤブの川原を歩いて行くと5〜6m位の川幅にヒューム管を並べた橋がありました(これが流された橋の代わりだったのですが、この時は気付きませんでした)。
 渡り終えると先に中部北陸自然歩道の看板があり分岐になっていましたが、方向が書いてありません。左に道のようなものがありますが草が生えています。山菜取りの道かと一瞬思いました。
 看板の注意書きの中には「対岸の看板を目標に川を渡ってください」と書いてありますし、直進は沢になっていて先にピンクリボンがありました。この時は疑いも無く登山道の印と思ったのです。
 ピンクリボンを確認しながら先に進みますが、道が荒れています。簡単に草を刈っただけの、道とは言えないようなものです。水害があったというから新しく道を作ったのだなと、この時も疑いませんでした。深い泥にはまったり、いつの間にか枝?に首のタオルをとられたり、その度にこの道を作った人をののしりながら進みました。
 そして20分が経ち、ついにピンクリボンが無くなってしまいました。先にも右にも左にもありません。沢の中に放り出されました。ここで急にゾクッとして気付きました。このピンクリボンは登山道の表示では無いと。そこで、地図を取り出しました。ああ、自分は丸ノ沢(まんのさわ)に迷い込んでいたのです。中部北陸自然歩道の看板の所が尾根への取り付きだったのです。看板の注意書きは下山者の為のもので、自分が渡ってきた沢の事を言っていたのです。
 最初から地図を確認すればよいのに後の祭りです。自分って道間違いが多いなぁと我ながら思います。生まれは兎年なんだけどやる事は猪で、猪突猛進なんですよね。今回はピンクリボンを見て思考停止になり、無条件で信じてしまいました。工事現場にまだなっていない所だったのでまんまと騙されました。そういえば前にも残雪期のルートの為のピンクリボンが、無雪期に登った時に残っていて無駄に薮コギした事があります。ピンクリボンを鵜呑みにすると痛い目に遭いますね。
 登山をする時、砂防ダム工事をしている所が多くあります。この清水峠の他に、最近では万太郎山、不動山、焼山等が工事中です。工事の為に林道を長く歩かされる他にこんな事もあったので要注意です。