宝珠・大蛇・野須張。
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     2012年5月24日の気持ち

 宝珠山から大蛇山そして野須張峰までを歩いて、五頭連峰のルートをあらかた走破しました。仕上げに小屋泊まりで宝珠山から松平山まで通して歩けば気持ち良いでしょうが、どうも山での泊りは苦手です。


      
     2012年5月24日(木)
       大蛇山にて

 登山道の左にある広場のようになった所。ここが大蛇山の頂上のようです。そういう意味でも頂上らしくなく、また、眺望が南側少々というのも頂上らしくありません。でもらしくないのも個性です。これで良いのです。五頭山のように、可愛い坪庭のようだった頂上の周りを伐採するという暴挙は「らしくない」と思う心がさせたのでしょうから。
 大蛇山の存在を知ったのは去年の5月に胎内市の高坪山に登った帰りのことでした。フォルツァで通りかかった旧安田町丸山の交差点で一時停止して左を見た時に、その目に映ったのが手作りの「大蛇山」の看板だったのです。駐車場まで4kmと書いてありました。
 遊園地やゴルフ場の裏を通る旧安田町丸山のこの道はエスケープルートとして今まで何度も通っていたのですが気付きませんでした。看板の古さからみると大分前からあったのでしょうが、木立の中の少し暗く狭い交差点では目立たなかったのです。
 登れる山があったら登るのが自分のポリシーですから、早速大蛇山を調べましたが2万5千分の1の地図には名前が載っていません。図書館で新潟県の山を紹介した本を漁ってみても出ていません。こういう時は「困った時のネット頼み」で検索すると出ていました。
 ここで始めて「だいじゃやま」と読むのではなく「おおじゃやま」と読むと知りました。頂上は宝珠山と野須張峰の間にあるようですが、標高がネットのページによりまちまちで登山道も他にもあるようで所在が分かりません。2万5千分の1の地図には宝珠山の北東1km先の稜線に出る登山道が書いてありますが、この稜線に出た所が大蛇山では宝珠山に近すぎて違うような感じがします。
 ネットの検索でもう一つ分かったのが、大蛇山登山口までの林道に崩落がある事です。土砂や岩が取り除いてあっても、普通の車では登山口まで行けない可能性があります。大蛇山登山の移動手段はスクーターを使うつもりだったので、大蛇山登山口までスクーターで行けるとは思えません。林道は歩く事になると覚悟しました。
 それなら、大蛇山だけ往復するのは勿体無いと思い、宝珠山経由のコースとして大蛇山まで行き、そこで時間の余裕があれば野須張峰往復をする事にしました。帰りは大蛇山から下り、林道を歩いて元の登山口に戻るという計画です。
 良い計画だったのですが、始めての宝珠山丸山ルートで登山口を間違えて立石神社から登ってしまいました。幸いな事に奥の院から先も登山道が繋がっていたので正規のルートに合流する事が出来ました。大蛇山から野須張峰へも行く事が出来て、これで南は宝珠山から北は松平山までの五頭連峰の登山道を完歩した事になります。
 大蛇山は2万5千分の1の地図上の799mのピークの事だと分かりましたし、恐ろしい名前と違って爽やかな緑陰の広場でした。宝珠山から大蛇山、そして野須張峰への道は急登や危険な所の少ないよく整備されたハイキングコースでした。立石神社から登ったので、林道を戻る距離も少し短くなりました。スタートを間違えたにしては上々の出来でした。運が良かったのですね。
 周回してみて思ったのは、ヤブと倒木の立石神社ルートは注意すれば使えるという事と、大蛇山登山口までの林道は車での通行も歩いての通行もお勧めしないという事です。大蛇山登山口に近い林道は、崖上に今にも押さえている木の根から岩が抜けそうな所もあり非常に危険を感じました。崩れた所は道幅が狭く路面も荒れていますし、始終水が流れている舗装部分はぬるぬるして滑ります。
 林道の通行止は細いロープ1本が高い所に張ってあるだけで、幅の狭い軽の本格四駆なら難なく登山口まで行けるでしょうが、落石はいつ起きるか分かりません。大蛇山ルートの登山道が整備されているのでそこを通らないのは勿体無いのですが、落石する林道が改修されない限りお勧めしません。
 大蛇山に行くなら宝珠山経由のルートをお勧めします。宝珠山の登山口なら何処でも(草水口と赤松山公園口は登山禁止?)OKです。宝珠山に登って余裕があれば大蛇山まで、それでも余裕があれば野須張峰まで、それでも元気が余っていたら五頭連峰の最高峰の菱ヶ岳まで行けばよいのです。
 もう一つ気になったのはこの辺の山のルート時間は他の山より短めに設定されているようなのです。宝珠山頂上のコース時間の看板は宝珠山から大蛇山へが1時間?分になっていて「?」を黒く塗りつぶしてあるのです。「?」は最初30などが入っていたのを健脚の人が長すぎると思い1時間ちょうどに直したのでしょう。だから時間に余裕を持って計画を立てた方が良いようです。時間通りに着かないからといって無理は禁物です。