稲包山はミスト発生器。
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     2012年6月25日の気持ち

 ヒートアイランド現象で過熱される東京には、駅のホームや商店街にはミスト発生器があるそうです。今日の稲包山全体は自然のミスト発生器と化して、気温低下と湿度上昇で登山が楽になりました。


      
     2012年6月25日(月)
       稲包山頂上にて

 稲包山頂上は新潟県境から150m?ほど群馬県側に入っている。当然群馬県の山なので、表示板も祠も群馬県に向いている。石で出来た登山者記載箱の中を見たら蟻が巣を作って卵を育てていた。
 稲包山は新潟県と群馬県の境にありますが、頂上は群馬県側にあります。四万温泉や法師温泉からの赤沢山経由のルートが一般的のようです。それに国道17号線の三国トンネル入口から登るルートもあり、ここは群馬県側と新潟県側の両方に登山口があります。
 今回はもう一つの苗場スキー場の奥の三国スキー場跡からのルートにしました。地図で他のルートと比べても短いのが分かります。始めての山ですから、まずは手ごろなルートを選びました。
 登山の行程は短そうですが、自宅から登山口までの移動は長いのです。登山をする為に登山口まで移動する事を余計な負担に感じてしまいます。新潟県の山ばかりに登っているので、移動のルートはお決まりのものになって新鮮味が無く詰まらないのです。
 それでもテンションを上げてフォルツァでのツーリング気分で国道17号線を走りました。六日町とか湯沢町とかは他の山で来る事があるのですが、湯沢中心部から県境の苗場スキー場までは久しぶりの道です。平標登山口の元橋は駐車場が有料になったとは聞いていましたが、付近も少し変わった感じがしました。
 フォルツァにセットしたナブ・ユーの誘導で苗場スキー場から右折して国道353号線の曲りくねった細道を駆け上がって三国スキー場跡に到着しました。ナビが必要な道では無いのですが、取付金具とヘルメットスピーカーを購入したばかりなので使ってみたかったのです。
 三国スキー場跡で舗装が無くなりましたが、行ける所まで行こうとフォルツァで上がって行ったらすぐに登山道入口の標柱と通行止の標識がありました。ここから山道になっているのでここが登山口のようです。フォルツァを停めるには地面の具合が悪いので少し下に戻って駐車しました。
 湯沢中心部では青空が出ていたのですが、群馬県境のここは曇りというか霧で周りの山が見えません。歩き始めたのですがグチャグチャ道が続きます。新潟県は晴天が続いていたのですが、県境のここは群馬県の天気のようです。ここではまだ、道の草露はそれほど無く霧も湿った感じはしません。
 湯之沢の渡渉地点の標柱の表示は丸木橋となっていますが、丸木橋は無く残骸のような物が対岸に見えます。だから石を伝って渡るのですが水量が多かったのでもう少し増えたら靴を脱いで渡る事になったでしょう。
 小沢を2つ程渡った後は、三坂峠への林の中の笹の上りになります。段々と笹の露の量が増えて来て、ジーンズに滲み込みます。
 三坂峠では南側が開けているのですが、ガスで眺望がありません。でも、このガスはミスト状で、荒い息をしている喉には吸入器の役割を果たしてくれます。ガスは直射日光も遮り三坂峠からの尾根のアップダウンを快調に歩けます。
 ただし、草露の量が増えて木の葉の露も落ち、さらにジーンズは濡れ足に張り付き、したたる水は靴の中に侵入し靴下を濡らし、丈の高い笹で上半身も濡れ、気持ち悪い状況にはあります。
 西稲包山も小稲包山もピークなのに眺望が無ければただの出っ張りに過ぎません。稲包山もそうでした。登山ガイドには3時間となっていた上り時間を1時間30分で着いて早い昼食をしている最中に、ミスト状のガスの粒が大きくなって小雨状になって来ました。時間の余裕はあるのですが、これでは待っていても晴れないだろうと早々に下山と相成りました。
 という訳で稲包山はガスで眺望が無く、行程も意外に短く、危険な箇所も無く、動物にも人間にも遭わず、お土産も無く、不完全燃焼に終ってしまいました。
 いいんです。この山はまた来ますから。その時は準備万端、群馬県四万温泉の天気予報も聞いて来ます。全国的に晴れが続いて草に露が無い時に来ます。
 次に来る時は国道17号線の三国トンネルからのルートにします。以前に三国山から大源太山に行く時に使った登山口です。三国峠から稲包山まではヤブが濃そうなので草露は厳禁です。