焼山強烈風撤退。 | |
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2012年9月18日の気持ち 焼山・火打山日帰り縦走のつもりだったので焼山はさっさと片付けるはずが予想外の風による撤退を余儀なくされた。杉野沢橋からのルートは初めてなので楽しい初体験ではあったが、残念。 ![]() 2012年9月18日(火)6時31分 金山谷?の先で ドーンと広がる焼山の展望。 この時はまさか強風でリタイアするとは思っていなかった。人生を山の行程に例えるとこの時は希望に満ちた少年時代だろうか。自分の少年時代は希望には満ちていなかったが。 |
結論から言うとリタイアです。焼山頂上目前で立って歩けないほどの強風で身の危険を感じ撤退です。そんな予兆は実を言うとあったのです。 前夜車で笹ヶ峰に上る途中の道路には木の葉や小さな枝が所々に散乱していたのです。車中泊をした笹ヶ峰グリーンハウスに到着して車から降りた時も、上空で風が舞い踊っていました。それが少し嫌な予感だったのです。でも、まさか登れなくなるほどの強風に見舞われるとは思いもしませんでした。 登山予定の順番は甲武信ヶ岳だったのですが山梨方面は雨予報だったので焼山・火打山縦走を繰り上げました。妙高市の天気予報は曇り時々晴れで降水確率も20%程度で、事前の情報では沢の水量が多く、足を濡らさずに渡渉するには、晴天続きである事が必須で、それにも合致していました。 この日を逃したらまた天候は雨模様になるので次の休日にも山に行けるとは限りません。焼山・火打山の縦走にはベストと言えないまでもベターな天気予報だったのです。 |
当日は車中泊から早く起きたのに登山口での出発が予定より遅れるといういつもの悪い癖が出ました。しかし、ルートは数年前に再開したという割にはよく整備され、沢付近ではルートの改良変更もあり、とても歩きやすい道になっていました。もっと荒れているのかと思いましたが嬉しい誤算で迷う事も無く、一昨年笹倉温泉から登ったルートの合流点に予定よりも早く着く事が出来ました。 笹倉分岐からは知った道ですがその上の森林限界からが暴風の吹き荒れる地帯だったのです。何とか風とガスの中、砂礫で滑る斜面を登って岩尾根に囲まれた所まではたどり着きましたが、そこから上には行けません。 風が強く身体があおられ進もうとすると倒れそうになります。歩くために片足を上げた瞬間に身体が飛ばされそうになります。這ってでもしないと進めませんが身体ごと持ち上げられるような恐怖を感じます。 この上は痩せた尾根で鎖場もあります。頂上なんて風除けの無い馬の背です。この状態で進むのは非常に危険だと思いました。そこで岩陰で早い昼食をとり様子をみました。 しかし、1時間が経ち寒くて雨具の上着と軍手をしましたが、それでも身体が震えてきます。もうこれでは本来の予定の焼山・火打山縦走は出来ないと判断しました。仕方ありません。ここでリタイア決定です。 それでも、せめて焼山の頂上に立ちたいとザックを置いて身一つで行こうと試してみましたが身体が軽くなってしまって風に浮きそうです。更に待ちました。 岩を背にして見ている北側の景色は強風で雲が出たり入ったりします。上空も同じようで日が差して温かみが出たと思ったらまた曇ります。雲は動きますが風は変わりません。上がって来た時よりも却って強さを増しています。上がって来た時は風除けになった岩陰にも容赦なく風は通ってきます。 砂礫の上の岩場に着いたのが9時16分でもう1時間半が経った時点で焼山頂上さえ諦めなければと思うようになりました。待ってもきりが無いので11時まで待って風が弱くならなければ下りようと決めました。 11時になっても風が治まらないので下山を開始しました。岩場と砂礫地帯の縁に来たら、男が1人登って来ました。「風が弱まるのを待っていたが今日はダメだ」と伝えたのですが、強風の中で声が届いたかどうか分かりません。自分には無理でも技術と体力がある人なら頂上まで行ったかもしれません。 砂礫地帯の下りは往きよりも風が強く、しゃがむ姿勢で両手両足時には尻も使って下りました。砂が口の中に入ってきます。目にも入ってきます。森林限界の下に来たら風が治まりました。 リタイアは何度もありますが、理由が強風というのは初めてです。これがもし信濃黒姫山のように頂上まで木があれば登れたでしょうが、焼山は風除けがなく足元が砂礫では少なくとも自分には無理です、と言い訳をしておきます。 リタイア地点の動画34秒ほどを「NHK特ダネ投稿DO画」に投稿しました。ネットのページから「新潟焼山」又は投稿者名の「捕手後逸」で検索出来ます。何か言っているのですが風の音で聞き取れません。 |
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