夏を満喫浅草岳。
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    2016年8月8日の気持ち

 あまり前で記憶の薄い浅草岳田子倉ルート。今日は存分にその姿を頭に焼き付けた?それとも熱中症気味で記憶が飛んだか。忘れてリセットすれば又登る気になる?夏の越後の山は涼しくないぞ。


    2016年8月8日12時17分
  浅草岳頂上から田子倉湖を望む

 十字手裏剣のような田子倉湖の手前の端に登山口が見える。あそこから歩いて来たのだ。今日は遠かった。そして暑かった。あそこまで歩いて戻らなくてはいけないのだなぁ、とは考えたくない。
 浅草岳にも幾つかのコースがあり、同じ道を往復するなりコースを組み合わせて周回するなりして楽しめます。
 大白川から五味沢に入り、林道を大駐車場まで上がって一番近いのがネズモチ平コース、同じ大駐車場から出発して林道を先に進んで尾根を通る桜ソネコース、昔からの登山道で林道を使わずに五味沢から林の中を通り桜ソネにつながるコース、六十里越トンネル手前から登り鬼が面山を通るコース、福島県側の入叶津から沼の平も散策出来る長くて緩やかなコース、そして田子倉駅の近く、無料休憩所の線路を挟んだ反対側にある田子倉コースがあります。
 今日はこの田子倉コースを往復しました。このコースは24年前の7月5日にRZ250Rというバイクで前夜テントを立てて泊まって、早朝出発して登って来たのです。
 何故バイクでしかもテント泊をしてきたかというと、その翌月のお盆に計画した九州ツーリング登山の予行演習を兼ねていたのです。
  ずっと陸路です。当時未完成だった新潟、富山県境以外はずっと高速道路でした。初日は1000km走ってもまだ本州でした。1日中直射日光を浴びて暑いですし、アクセルをずっと握っていたので右手にマメが出来ました。この時ほどバイクにもクルーズコントロールが欲しいと思った事はありません。 
   初日は山口県のPAの端にテント泊でした。夜中も大型車がエンジンをかけたままなので臭いのとうるさいので良く眠れませんでした。
 次の日関門海峡を渡って九州に入ったらRZ250Rのオイルランプが点灯しました。2サイクルなのでオイル交換の必要は無い代わりにオイルを消費してしまうのです。当然オイル持参で、補充しました。
 九州自動車道も宮崎と鹿児島の県境付近で終了で、そこから一般道を佐多岬まで南下して九州最南端の宿に泊まりました。
 そこから北上しながら鹿児島開聞岳、熊本阿蘇山、大分久住山と登って来ました。宮崎韓国岳は当日大雨で登れなかったのが残念です。帰りも陸路でしたが一般道を走って観光して来ました。

 その後小規模なツーリング登山はありましたが、これだけ大規模なツーリング登山はしていません。死ぬまでにまた出来るでしょうかねぇ。(写真は大雨で中止した韓国岳予定の日にSSで)
 いきなり思い出に浸ってしまいました。
 そう、浅草岳田子倉ルートですが、あまりに前なのでルートを殆ど覚えていません。ささやかな記録があるのですが見ても思い出しません。新鮮味があると思えば良いのでしょう。
 前回は無料休憩所にバイクを置いて線路を横断して登山口に行ったと思うのですが、今は線路は横断禁止になっていたので、一度R252に出て無料休憩所の先を左折して登山口駐車場に入りました。
 無料休憩所でも無人(車無し)だったのですが、登山口も無人(車無し)でした。ああ、今日も孤独な戦いかと少し落胆です。混んでいるのは嫌ですが、誰もいないというのも寂しいです。今日も歌(初めてのチュウ)を歌いながら登りました。熊達へ美声を聞かせます。
 1時間くらい歩いたらもう日向の尾根道(時々ジグザグ)です。南に向いた登山道なので日陰は貴重となります。
 前も合目表示はありませんでしたが、今日はランドマークの表示も殆どありません。前にあったものが無いのです。24年前のランドマークを元に計画表を作ったのですが、どこまで来て、これからどのくらいかかるかが分かりません。その代わり不定期なkm表示杭がありました。手分場、展望所、剣が峰、山神の峰、足止め平、湖見峠とこんな表示があったのですけどね。
 上るにつれて休みが増え、10m毎に休んでいる感じです。それも日陰を探してです。まだ歩けても日陰を見ると休みたくなります。上半身だけでも、頭だけでも日陰に入れたい、そんな心境の上りです。
 もう心に思うのは歩いてさえいれば頂上に着く、という事です。あとは考えません。花を撮りながらゆっくりと登りました。
 頂上には若い女性が1人だけ昼食中でした。頂上は日陰が無いのは分かっていたので、予ねて用意の折り畳み傘をさして、自分もお湯を沸かして味噌汁を作ってオニギリを食べました。食欲があるのはまだ熱中症にはなっていない証拠でしょう。
 小さい折り畳み傘では靴が日向に出てしまいます。そうすると足が熱くなってくるのです。何という太陽でしょう。これが夏の越後の山です。夏を満喫するのも程ほどにしたいものです。
 デザート代わりにコーヒーでパンを食べました。オニギリは2個食べましたがパンは半分しか食べられませんでした。少し熱中症気味でしょうか。

 他に中年男性が頂上を横切りましたが、他に人はいません。たった3人だけでした。こんな暑い日はもっと早く来て早く帰ったのでしょう。自分も頂上から見える登山口を目指して下りました。
 上りでは気が付きませんでしたが、下りは結構景色を楽しめます。途中の尾根の変化とか、面白い形のピークとか、尾根と田子倉湖とのコントラストとか、目の保養になります。このコースは下りの方が楽しめます。いつまでもいつまでも田子倉湖が視界に入って来るのです。林に入っても木の間から見えたりします。
 田子倉コースを登って鬼が面山を巡り、六十里越に下りて予め用意した自転車で田子倉に戻るという人もいて、自分もやってみたいですが、田子倉のこの下りも捨てがたいですね。
 帰りの最初の沢の大久保沢で頭や顔や腕を拭きました。林に入った事と少し冷却出来た事で元気を取り戻しました。
 登山口手前の木道では人数をカウントするような赤外線センサー?が両端にありました。往きでは気が付きませんでした。心は上を向いて歩いていたのでしょう。
 という事で、熱中症にもならず、怪我もせず、熊にも遭わず無事下山しました。水分は持って行った2リットルを全部飲み干しました。アメも3個舐めました。残ったのはオニギリ1個(いつも1個多めに買う)とパン半分です。
 登山口ではささやかな日陰にフィットを移動して、アブの攻撃を避けて持参の水で身体の塩分を流して全部着替えしました。
 自販機を求めて無料休憩所に寄ったのですがありませんでした。買い食いしない自分としては珍しいのですが、余程冷たいものが欲しかったのでしょうが残念です。
 欲望を押し殺してぬるい水を飲んで残ったパンを食べながら帰って来ました。こういう、ながら運転は2輪では出来ないので、やっぱり4輪は楽だと思う次第です。