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私的山in新潟 | ||
毒書生活 | ||
燕市立図書館蔵書案内 | ||
読みすぎは身体に毒です。1日1冊以下にしましょう。面白い本は止まりませんが、寝る間を惜しむと身体の毒です。だから、面白くなさそうな本を混ぜて借りています。でもそんな気遣いもいらないようです。賞を取っていたら面白い本かというとそうでも無く、ネットで推奨しているから面白いかというとそうでも無く、何を基準に選べば良いか分からなくなって来ています。 |
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作者と借出日 | 題名と感想 | |
山本弘 | 幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部 | |
2025 5/14 |
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この作家の小説が無くて、ジュブナイルを借りた。ネーミングとかストーリーとか好みでは無いが仕方無い。12年制学園の生徒の読書感想発表会がメインで戦争がテーマのバトル。様々なフィクションやノンフィクションが出て、作家の博識が分かる。自分もSF好きで伏木空に感情移入する。紹介された中に読んだ本もあるが殆どストーリーを忘れた。(竹) |
ポール・オースター | 幻影の書 | |
2025 5/14 |
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1985年に飛行機事故で妻と幼い息子達を失った大学教授。その後に初めて笑った無声映画に取り付かれ、監督で演者でもある失踪した男の研究書を出版する。何年か後に、死んだと思われた男の妻と名乗る女からの招待状が届いた。それは、人生が終わったと思っていた大学教授に、激しい生を感じさせる序幕だった。予想出来ない展開。(竹) |
宮内悠介 | ヨハネスブルグの天使たち | |
2025 4/20 |
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様々な場所での近未来SF連作短編5編。デストピアで、争いや戦争は続いている。別の場所に同じ人間が出てくるシーンもあるが、DX9という日本製のロボットが影の主人公か。ただ現実を見ると最先端のロボットは日本製では無い。SFではもうロボット=日本製は古い。そうするとSFでの日本は何があるのだろう。最近中々面白いSFには当らない。(竹) |
ピエール・ルメートル | 邪悪なる大蛇 | |
2025 4/20 |
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63歳の女は戦中はレジスタンスの元闘士、現在は変容した組織の凄腕の殺し屋。指示するのは昔からの顔馴染みの仲間だが、男女の関係にはならなかった男。女は認知症が進み、仕事が雑になったと男は思う。殺人事件を捜査する警部。警部が世話になった元知事。好きな作家だが、これは初期の頃のものらしく、面白さがちょっと足りない。(竹) |
三浦しをん | ののはな通信 | |
2025 3/23 |
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女子校時代に知り合って恋を感じて付き合ったが、一方の過ちを許せず離れて、中年になってから手紙やメールで復活した二人の女性の物語。後半は片方が結婚して外国で暮らし、もう一方は日本でパートナーと暮らす。20年以上が経過するが、全部が書簡形式のせいか二人以外の人物の登場が少なく、物語の膨らみがなく単調に感じた。(竹) |
ピーター・ラヴゼイ | 最期の声 | |
2025 3/23 |
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ピーター・ダイヤモンド警視シリーズ7作目。警視を支える優しい妻が殺されるというショッキングな内容。身内の事件なので警視は捜査に加われず、自力で妻を殺した犯人を捜す。恨まれる人間で無いから容疑者が浮かばず難航する。自宅の庭で警視が隠していた拳銃が発見され警視が疑われる。読者にも悟られずに筋が進み納得する結末。(竹) |
チョ・ナムジュ | 私たちが記したもの | |
2025 3/10 |
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韓国の女性が置かれている現状を小説で表現する作者。韓国の小説家の中で一番読んでいる。「82年生まれ、キム・ジヨン」が有名。これは7編の短編を収める。日本でも生き難いと言われる女性は、韓国では更に因習に囚われて、家庭でも会社でも学校でも虐げられている。男から、或いは女からも。老女から少女までの声が描かれている。(竹) |
原ォ | 天使たちの探偵 | |
2025 3/10 |
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私立探偵が依頼を受けて事件を調べる、和製ハードボイルド小説。沢崎が主人公の6編を収めた短編集。東京の街と、そこに生きる様々な人間を探偵の眼を通して描く。緩くも無いが硬くも無い表現が好ましい。無理に結末も付けない。表題の短編は無いが、依頼者が天使なのか、それとも事件を起こした罪深き者か。本が古くて傷んでいる。(竹) |
白川尚史 | ファラオの密室 | |
2025 2/24 |
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古代エジプトの神官は死んでミイラにされたが、心臓に欠けがあり、冥界の王に現世に戻される。三日以内に心臓を捜さないと冥界にも居られなくなる。食物のパンにしてもピラミッドの石運びの様子にしても伝わってこない。エジプトの宗教よりも、エジプトの風俗を丹念に描いて欲しかった。トリックも稚拙。「このミステリーがすごい!」大賞らしいが。(竹) |
温又柔 | 来福の家 | |
2025 2/24 |
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日本で生まれた台湾人女性の幼少期から成人までの話。台湾語、中国語、日本語が家庭で聞かれるが、家族でもその人の人生によって話す言語の割合が違う。世間的には、見た目は日本人でも名前や言葉で生じる違和感や漢字文化の共通な所や違う所を描いている。そういう家庭の姉と妹で中篇2編に分かれている。すばる文学賞佳作。(竹) |
たかせ乃一 | 貸本屋おせん | |
2025 2/11 |
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母は若い男と出奔、彫り師の父は自死。父の知り合いや長屋のおかみさんに助けられ、おせんは貸本屋をしている。幼馴染の野菜売りの登は何かと助けてくれて、嫁に来いとも言う。江戸情緒の連作短編5作を収める。折りしもEテレの「3か月でマスターする江戸時代」を観て、江戸に興味を感じている。武士よりもしたたかに生きる庶民目線の物語。(竹) |
ジョゼ・ルイス・ペイショット | ガルヴェイアスの犬 | |
2025 2/11 |
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ガルヴェイアスはポルトガルにある作者の実際の故郷。1984年に起きた隕石落下後の村の人達の話を1月と9月に分けて綴っている。こちらは当然フィクション。人も食物も村中が硫黄の臭いに包まれるが、皆が皆、気付かない振りをして暮らしている。でも、犬だけは忘れなかった。40年前の狭い村の親子や知り合いの関係性を描いている。(竹) |
呉勝浩 | おれたちの歌をうたえ | |
2025 1/18 |
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デリヘルの運転手をしている元刑事に、昔の仲間の死を知らせる電話があり、長野県上田市に帰る。故郷で幼い頃を過ごし、殺人事件も体験した仲間はバラバラになった。過去と現在を行ったり来たりの筋書き。大河ミステリーとあるように600ページ近い量を読み切るには自分の好みではなく挫折。視力が悪化したのも原因。他の2冊も読まないで返却。(竹) |
過去の毒書生活 | ||
過去のものは、作者姓をあいうえお順にして分類しました。長岡(日本、外国)、燕(日本、外国)。おすすめの「松」ランク(うちの店では松が特上です)をまとめている最中です。 | ||
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